風で調理する!?手箕(てみ)を使った大豆の選別
秋に収穫して脱穀した穀物には枝や茎や豆のさやなど、余計なものがたくさん混じっているものです。人が食べられるようにするにはこの余計なものを取り除く「選別」をしなければいけません。
選別には穀物の比重や形状を利用するいくつかの方法があります。代表的なのが風で分ける方法。軽くて風にあおられやすいものを吹き飛ばして、比重の重い穀物と分けます。
そのための古典的な道具に「唐箕」があります。
しかし、晩秋というのは冬ごもりの準備に慌ただしいので、つい豆の脱穀や選別は後回しになってしまいがち。この冬も何とか雪の降る前に脱穀は終えたものの、選別までは手が回らず雪の季節到来となってしまいました。唐箕は畑にだして作業しなければいけないので雪が積もってしまうとこの作業が出来ないのです。
そんな時には「手箕(てみ)」というローテックで原始的な道具を使うことになるわけです。
【手箕の写真は一番上】
これは秋に収穫し大きな枝や葉を取り除いたもの。
これを手箕を使って軽く投げ、風で選り分けていきます。この作業は適度に風のある日に行います。投げた物のうち重い穀物は手箕に着地し、軽いゴミは風で飛ばされていきます。
ところがこの日は風が吹かない。それでもよく見ると軽いゴミがひとりでに上に上がっていくのが分かります。これには、ちょっとテクニックがいります。
この作業を繰り返すとこのようになります。
まだこのままでは食べることはできませんが、大まかなゴミはとることができました。
昔の人は晴れの日には晴れの日に出来ることを、雨の日には雨の日、風の日には風の日と、それぞれに自然エネルギーを上手に利用して賢く生活していたんですね。
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