和食に不可欠!麹(こうじ)を作る方法。

2014.2.15 12:00 

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麹(こうじ)とは、米、麦、大豆などにコウジカビを繁殖させたもの。麹から作られるものは、日本酒(どぶろく)、味噌、醤油、みりん、甘酒、漬物、お酢などなど。麹なしで、和食は成り立ちません。

麹にはデンプン質を糖分(甘味)にしたり、タンパク質をアミノ酸(旨み)に分解する酵素が含まれているのです。
 

麹の作り方

材料・道具

  • ・白米(普通に精米した米/うるち米)
  • ・麹菌(粉末/種麹)米1Kgにつき約1グラム
  • ・蒸し器
  • ・保温用の布団など
  • ・電気毛布、ホットカーペット、湯たんぽ、電気あんかなどの保温器具

 

米を水につける
分量の米を洗い、夏なら一晩、冬は1日ほど水に浸けます。蒸す2時間前にはざるに上げて水をよくきっておきます。

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米を蒸す
米を蒸します。蒸し上がりの目安は、米粒に芯がなく透き通って、人差し指と親指でギュッとつぶし、上手くつぶれればOK 。米の表面に水分が覆っていると麹菌がつきにくいので、モチモチさせず、パラパラと、しかししっかりと蒸します。

我が家の薪のかまどでは火力が強いので、お湯が沸いてから15~20分ほどで蒸しあがってしまいますが、一般家庭では1時間くらい掛かるかもしれません。

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蒸した米を冷ます
団扇などで扇ぎながら米をしゃもじでさばき、素早く人肌に冷まします。

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麹菌をまぶす
種麹(麹菌)は近くに味噌屋さんがあれば譲ってもらえるかもしれませんが、今回はネット通販でこの種麹を買いました。

実は麹菌には用途によってさまざまな品種があり、色もさまざまのようです。味噌や甘酒用には緑色のものが一般的だと思っていましたがこの菌は真っ白です。

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蒸し米にまぶす時に、あまり温度が高いと麹菌は死んでしまうので40℃程に冷めたら麹菌を満遍なくふりかけ、冷めないうちに素早く手で米をほぐしながら、なるべく多くの米粒に麹菌が張り付くようにします。冷まし過ぎると麹菌の繁殖がおくれ、雑菌に犯されるリスクが高まります。

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保温して麹菌を繁殖させる
熱湯をかけて消毒した木の箱に、はじめは菌をまぶした蒸し米をひとまとめにして入れます。これは熱がこもって早く麹菌を繁殖させるためです。プラスティックや金属製のトレーでは水滴がたまって麹の繁殖をさまたげます。

写真の木箱は関西方面では「もろぶた」とか「むろぶた」と呼ばれ、麹作りだけでなく、ついた餅や手打ちしたうどんを入れたりと、とても重宝に使われた道具。およそ30cmX66cmX6cmの杉製でこれひとつで米一升分の麹をつくれます。おそらく半世紀以上前のものを譲り受け大切に使っています。

この木箱に蓋をして、清潔な風呂敷に包み、さらに大きなビニール袋(ゴミ袋など)にすっぽりと包みます。これは麹が繁殖するときの発熱で水分が蒸発して蒸し米が乾燥してしまうのを防ぐと同時に、上からかぶせる布団が蒸気で濡れてしまうのをふせぎます。

ビニールでおおったら、我が家では一畳の大きさのホットカーペットでくるみ、その上から布団をかぶせ熱を逃がさないようにします。温度は30度くらいに設定します。

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12~18時間くらいすると、透き通っていた蒸し米が白く潤んだようになり、甘い香りがして温度も40℃くらい(あるいはそれ以上)に上がってきます。温度が高くなりすぎると麹菌がおとろえ、また米が乾いてしまいますので、ひとつまとめにしていた蒸し米を2~3cmの厚さに広げ、保温器具の設定温度も調節します。

写真では3升の米を使ったので、3つの箱に分けました。熱が上がりすぎた場合は少し冷ましてから箱を重ねて再び風呂敷とビニールで包み保温をつづけます。

もし米が乾燥し過ぎてしまった場合には、霧吹きで湿り気をあたえることもあります。その後も温度管理をしながら、保温し始めて40時間後くらいに、表面に麹の花が咲いて米粒がつながって一枚のベルベットの布のようになったら完成。

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冷ます
できあがったら直ちに保温をやめ、冷まします。保温を続けると、麹菌の胞子が成長して菌の種類によっては緑色の麹になってしまったり、麹以外のカビが繁殖したり、麹の酵素でそれ自体が糖化を始めてしまったりします。
ためしに、食べてみると、ほのかな甘みがあります。

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生の麹は状態が変化しやすいので、すぐに味噌作りなどの作業にうつります。味噌を作る場合、出来上がった麹に直ちに分量の塩を混ぜて(塩切り)おけば豆が煮あがるまでの間の変質を止めることができます。

すぐに使わないときは、冷蔵庫などで2・3ヶ月くらい保存することができます。一度冷蔵庫で保存しているのを忘れて数ヶ月たったのを発見したら熟成してブドウのような芳香(エステル臭)になっていたことがあります。これで甘酒を造ったのですが。とても美味しかったです。

初めて作るときの問題点はなんといっても設備。大量の米を蒸す容器や、火力、木の箱など、始めは代用しながら、工夫してやってみてください。

また温度管理をする都合上、米を蒸すのは夕方以降にするようにしています。午前中に仕込むと夜寝ている時間に温度が上がり過ぎる危険があるからです。夕方に仕込むと、翌日の朝、麹を広げ、3日目の午前中に出来上がりますよ。

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種麹

(株)鈴木こうじ店
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