トビラを開けると、そこにはカモシカがいた。
トビラを開けると、そこに灰色の獣はいました。それは、じっとボクのことを見つめています。オオカミのようにも、クマのようにもみえました。慌てて、トビラの陰に隠れてよく見ると、それはカモシカ。我が家のヤギに、少しにています。
急いでカメラを探し、トビラの影から、体を少しだけだし、すばやく2、3枚シャッターを切ります。しかし、撮影するには距離がありすぎました。
そこで、カモシカが、うしろを向く瞬間をまって飛びだし、10メートルくらい離れた木の陰にかくれました。カモシカがうしろを向いては、近づいていきます。“ダルマサンが転んだ”をして半分くらいまで、距離を縮めたとき、カモシカがクルリとうしろを向き、背後の林へゆっくりと姿を消してしまいました。
しかし、林の向こうは川なのです。ということは、川を渡って反対の山に行くはず。
そう判断したボクは、カモシカが入った林を通らないように、先回りして川に降りました。遠くまで見通せるところを探し、雪の間に身を隠し、カメラを構えて待ちます。
しかし、しばらく待っても、姿が見えません。読み違えたかと思ったそのとき、予想より少し川上をのっそりと渡っていく、巨体が見えました。あわてて、3枚シャッターを切ります。でも、背景がイマイチ。もう少しうまく撮れないかと、カメラを構えなおしたときには、すでに、川の向こうの山に溶け込んでいってしまいました。
去っていたところに行き、カモシカの足跡を見つけました。そばには、ウサギの足跡も並んでいます。
写真は作品とよべるものにはなりませでしたが、カモシカを写真に収められたのは初めてだったので満足。また会えることを期待します。
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