やっぱり自家製は美味しい。味噌作り、我が家の場合。
材料
大豆は無農薬・無化学肥料で自家栽培したもの。品種は中粒の「アキシロメ」。これは特に味噌用に適しているわけではないですが、10月に霜の降りるこの地では栽培期間の長くなる大粒の晩生種を栽培しにくいため。
麹用の米は今年は市内の農家から頂いたものを使いました。品種はコシヒカリ。これも品種は特に問いません。普通の家庭ではスーパーや通販で乾燥した麹を求めるのが一般的でしょうが、大量に作る場合はやはり自分で作らないと原価が高くついてしまいます。麹から作りたい方はこちらの記事を参照して下さい。
塩は、せっかく家庭で作るなら食塩ではなく、ミネラルの豊富な海の塩を使います。最近はスーパーでも食塩以外のいろんな種類の塩を扱うようになったので研究してみてください。ただ、塩もこだわるときりがないのでほどほどに。
作り方
ウチで長年作っている味噌の配合は、重量で大豆:米:塩=2:2:1。とてもシンプルです。ここでちょっとまぎらわしいのが、米(麹)の分量です。麹は生と乾燥したものでは含んでいる水の量も重さもちがいます。ここで言う米の割合は原料の乾燥した米に換算した重量。よく乾燥した麹であればそのままの割合でOKですが、生の麹では重量にして3割から5割ほど多くする必要があります。
- ・大豆 2
- ・米 2
- ・塩 1
我が家では一度に5kgの麹を作るのが限界なので、5kgの大豆と米、2.5kgの塩を使って大きな樽に仕込み、これを繰り返します。
大豆を煮る
大豆を良く洗い、一晩水に浸けておきます。冬場一日中火を燃やしている薪ストーブの上に豆を入れた大鍋をかけます。水は大豆が完全にもぐるくらい。グラグラやると煮汁が吹きこぼれるので、火加減を調節しながら、指で挟んで簡単につぶれるまで軟らかく煮ます。
今回は丸二日かかりました。夜間に鍋が冷えてしまうので次の朝もう一度殺菌の意味で火を入れてから仕込みの開始です。
豆を潰す
ウチくらいの分量を仕込む場合は「味噌すり機」や「ミンサー」というものを使うと楽なのですが、田舎暮らしで何でも手作りしようとすると道具ばかりが増えて居住空間を圧迫するので、現在のところ大豆をつぶす作業は写真のような道具を手作りしてひたすら手でつぶしています。去年まではビール瓶の底でつぶしていました。つまりはつぶれれば良いのです。ビニール袋に入れて足で踏むという手もあります。ただしよくつぶすこと、つぶれていない豆はいくら熟成しても豆の形のままゴロゴロとしてしまします。
この時適度に豆の煮汁を加えてやると潰しやすくなり手が疲れませんが、軟らかくし過ぎないように注意して下さい。
塩切り麹と混ぜる
麹を手作りした場合は、麹の劣化を防ぐために完成後すぐに分量の塩とよく混ぜておきます(塩切り麹)。板状の乾燥麹を使う場合は、大豆が煮上がる前にあらかじめ手で米粒をよくほぐしてやはり分量の塩とよく混ぜておきます。
豆がよくつぶれたら、塩切り麹と均一に良く混ぜます。
樽に詰める
よく洗ってアルコールなどで消毒したポリ樽に味噌を詰めて行きます。両手でペタペタと叩いて空気を抜くようにして、適当な大きさの団子を造り樽の底に投げ入れます。味噌の間に空気が入るとカビや好気性の雑菌が湧きやすいので、空気が入らないようにピッタリと樽の中に詰めるようにします。
すべて樽の中に収まったら樽の縁についた味噌をきれいに拭き取り、味噌の表面を平らにして、殺菌のために塩を振りまきます(塩蓋)。そして、ビニールかサランラップでピッタリと覆い、落としぶたの上に重石を乗せふたをすれば仕込み完了。大量に造る場合は必ずしも重石は必要ありませんが、表面に空気が触れるとカビが生えます。出来上がりは約20リットル、豆を潰し始めてたっぷり二時間以上かかりました。
発酵・熟成
比較的暖かい家の中で貯蔵した場合、三ヶ月くらいで食べられますが、低温で長期熟成すると味が良くなります。数ヶ月で天地返しをすると書かれているレシピもありますが、かえって雑菌が入りやすいのでやらないという味噌屋さんもあります。
実は今回使ったのは一昨年の大豆。去年の秋に収穫した新豆がまだ手つかずで残っているので、これらも備蓄用にこの冬場に味噌に仕込んでしまう予定。全部で100kg位になるかな。
[Writer : Zeukyau]
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